休みを利用して、山を3つ登り、ついに下山へ…(その1)

お出かけ

高尾山、小仏城山、景信山と順に登頂した、山登り日記。通算では、これが8回目だと思う。今回は、下山の巻である。(投稿の一覧は、こちら

さて、無事に景信山まで登ることが出来たのは良かったものの、冷えたビールを期待していたお茶屋さんは休み。山頂の雄大な景色を堪能したあと、僕は早速、下山を開始した。
このペースで行くと、十分に明るい内に山を降りることが出来そうだ。山の中は、夕闇の訪れが案外と早い。平地と異なって、太陽は早くに山の陰へと隠れてしまうからだ。

景信山から小仏バス停まで下りることになる。下山の道は、はじめの内こそ木材で作られた階段だったけれども、すぐに自然の登山道へと変わった。景信山の登りのときと同様の、薮の中を掻き分けたような尾根道である。

数日前に大雨が降ったばかりなので、まだ地面が幾分湿っている。場所によっては、ぬかるみになっているところもあるくらいだ。うっかりすると滑ってしまう。
僕は、登りのときに見つけた木の枝を相棒として、それで身体を支えながら慎重に足場を選び、一歩一歩進んで行った。例えば、木の根っこの上は滑りやすい。そういった場所には、足を掛けないようにするのだ。

山頂から離れるに従って、周囲の樹木の背が高くなってくるのを感じた。心理的な圧迫だけではないだろう。森林の奥深くへ入っているのである。陽が遮られ、薄暗くなった場所もあった。
こんな所で熊のような動物に出遭ってしまったら一溜まりもないなあ…などと想像する。そのくらいに、ここは人間の領域ではないように思えた。大自然の只中に置かれている、という感じである。

そのときだった。一匹のハチが、僕の頭上に近寄って来た。ミツバチをやや大きくしたような虫が、ブーンブーンと羽音を立てて、目の前を何度も通り過ぎる。旋回しているのだろう。
スズメバチやクマバチではないようなので少し安心したけれども、仲間のハチでも呼んで来られたら大変だ。僕は、歩みを急ぐことにした。それでも、そのハチは僕の頭上の旋回を止めようとしない。

ときには、一か八かと思って、そのハチに向かって、杖として使っていた枝を振り回した。退治してやろうと思ったのである。しかし、そう簡単に当たる筈もない…。
嗚呼、次からは虫除けスプレーか何かでも持って来て、こんな虫に好かれ(?)ないようにしなければ…という考えが頭を過ぎった。僕は、益々足早になった。

すると、そのときである。僕は、ぬかるみに足を取られて、ステーンともんどり打つようにして転んだ。まるで、柔道で思い切り足払いを掛けられたときのようである。
左を下にして倒れたので、ズボンやTシャツの左側が泥だらけになってしまった…。無意識に受け身を取ったのだろうか、左腕を振った弾みで腕時計が外れて、少し離れたところに落ちていた。

身体は何処も打っていないようだ。ただ、泥がついた。首から下げていたニコン P900にも、少しついてしまった。このときには気づいていなかったけれども、レンズの先(フィルター)も少々汚れたらしい。
僕は、立ち上がり、気を取り直して、再び歩き始めた。この後も、暫くはハチに相変わらず追いかけ回され続けたのだけれども、いつの間にか居なくなったのである。きっと、サービス圏外となって引き返したのだろうw

今回、3つの山を登り降りして、キノコを一度も見かけていなかったことに気づいた。木曽にある、祖父の家の裏山では、登るたびにキノコを摘んだものである。さて、景信山ではどうだろう、と思って見つけたのが、上の白いキノコだった。
転んだ後に撮ったので、レンズフィルターの汚れのために、ソフトフォーカス気味になっているのは、ご容赦を。このようなキノコを3つほど見つけた。それだけだったのである。まあ、これは食用ではなさそうだ。

途中で、道が分岐していた。勿論、小仏バス停方面を選ぶ。この後も、引き続き急斜面を下りることになったのである。ところによっては、下のような、地層の中を掻き分け切り開いたと思われる砂利の道もあった。これも、先人の苦労の跡であろう。

下山を始めてから45分ほど経つと、下の方からゴウゴウという何かが流れる音が聞こえて来た。はじめは、高尾山の6号路を登ったときのような沢があるのだろう、と思っていたのである。

しかし、それは違った…。では、何だったのか?僕は、無事に下山できたのか?(…いや、出来たのですがw)今回はちょっと短いけれども、つづきはまた、次回に…。

……

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