一昨日の月を3態で。月齢は、5.0前後である。トップの写真は、日中、月が青空の中で薄雲に晒されていたところ。これが下のように、晩の月没時にも、灰色のそれに纏わり付かれていたのだ。
そのようにして、月が西方に傾いたときを機会として捉え、地球照を撮った。下が少しフレームアウトしてしまったけれども…。灰色の煙のようなものが薄雲である。
あとは、欠け際のクレーターがよく見えるように、と思って普通に撮影したものも。同じ日の月でも、こうして見よう(撮りよう)によっては、様々な見方が出来るのであった…。
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さて、きのうのことである。日中はどんよりと曇っていた。しかし、夜になると、いつの間にやら星が見える程に雲が引いていたのである。
それに気づいて、僕はベランダに出た。東の空に昇ったふたご座の方角を見遣ると、直ぐに大きな流れ星がススッとオリオン座へ向かって駆け抜けて行くのが見えたのである。
これはしめた!と思い、直ちにニコン P900と三脚を取り出して据えた。でも、それっきり、待てども流星は何も見えないのである…。夜空は全く、いぢわるだw
下の写真は、レンズをオリオン座の方に向けて、P900の最大限であるシャッタースピード15秒で撮ったもの。再び流星がこの星座を貫いてゆくのを期待して撮影したのである。(赤茶色っぽく掠れて写っているのは、雲)
広角にしたり、ふたご座にレンズを向けたり、夜空を様々に何枚も撮った。流星の写真は、そのようにして当てずっぽうのようにして撮って、上手く写ってくれるのを待たなくてはならない。
でも、数十分の観測と撮影の後に遠くから流れてきたのは、星ではなく雲であった。動画撮影に切り替えて撮影を続けているうちに、夜空は一面の雲となってしまったのだ。
結局、動画撮影時、画面の片隅にキラリとひとつ写っただけが成果であった。この晩は、これでお開きである。次の夜にまた、流星が見られることを期待しよう…。
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前回の投稿で、坂本龍一キョージュのご選曲による、クラシック音楽のコンピレーションCDをふたつご紹介した。キョージュのこのような作品は、『耳の記憶』がまだリリースを控えている。
『坂本龍一 選 耳の記憶 前編』(CD3枚組)
これは、「婦人画報」誌に連載のキョージュのエッセイをブックレットとして纏め、CDと一緒にしたものである。CDの内容は、キョージュ愛聴の様々なクラシック音楽だ。こちらの発売は来週。楽しみである…。
さて、こういった企画が目白押しなのは、坂本龍一キョージュだけではない。漫画家の松本零士先生もなのだ。例えば、下のリンクは、松本零士先生ご選曲のカラヤン名曲集。
ワーグナーやベートーベン、チャイコフスキーなどなど、カラヤン指揮の名演が10曲収録されている。ジャケットのイラストは松本先生が描いたカラヤンである。
『松本零士セレクション/カラヤン ベスト・オブ・ベスト』
松本零士先生に関しては、もうひとつ。先達て、漫画の復刻本がCD付きで発売された。作曲家や指揮者など、クラシック音楽家の人物伝漫画である。
CDは、その漫画の内容に沿ったクラシック音楽。それが、先週の末に届いた。早速開封してみたところ、まず本のサイズが、コミックスのそれよりだいぶ大きいことにやや驚く(縦およそ25cm)。しかし、これは読みやすくて良いと思う。
この『不滅のアレグレット』は、元々30年以上前に雑誌連載された漫画作品を集めた単行本であった。それが、長らく絶版の状態になっていて、ネット上などでは中古が高値で取引されていたのである。
それが今回、9作品追加され「完全版」として蘇った。しかも、上述の通り、クラシック音楽のCDも付いて。これでもう、数千円も出して当時の単行本を買い求めなくても済むのである。これは朗報だろう。
CDは、本誌とは別の厚紙のおもて面に収められている。裏側には、下のように曲目が書かれていた。この本をお求めの向きには、参考にして頂きたい。ちなみに、収録時間は、全部で約42分である。
下は、本誌の目次をチラ見。右から12作品が、当時の単行本に収録されていたもの。残りの9作品が、今回追加で初収録されたものである。このように、全部で21作品も収録されているのだ。
例えば、CDの5曲目は、フルトヴェングラー指揮による、ベートーヴェンの交響曲第7番の第2楽章。ワーグナーが「不滅のアレグレット」と名付けたと言われている一曲である。
そして、この曲をモチーフにした漫画が、本誌の2作品目として収録されている「不滅のアレグレット」だ。主人公は勿論、フルトヴェングラー。
CDでこの曲を流しながら、「不滅のアレグレット」の章を読むと、当時のドイツやフルトヴェングラーの心情へと一層没入できる。フルトヴェングラーの音楽に、フルトヴェングラーの漫画。何という贅沢な時間の過ごし方だろう、と思う。
そんな風にして、他の4曲に関しても、漫画作品と曲目が対応しているので、同様の楽しみ方が出来る。クラシック音楽と漫画をコラボレーションさせて楽しむというのは、実にユニークな試みだ。
漫画作品以外にも、巻頭には松本零士先生インタビューを収録。他には、作品の合間などに、関連のクラシック音楽を紹介するコラムが多数掲載されている。実に、読むところが多い本なのだ。有難いことだと思う。
実は、僕はまだ、この『不滅のアレグレット〈完全版〉』を読み切っていない。是非ともじっくり楽しんでいきたいので、年末年始のお休みに時間を取って、ゆっくりと味わってみようと考えているのだ…。
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松本零士『不滅のアレグレット〈完全版〉』
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