ことし1回目の部分日食を観測と撮影をしてみたのだ(12月にも、またあるよ)…

宇宙・天体

きのう、1月6日の午前中に部分日食を見ることが出来た。

実は、前々から、この日を指折り待っていたのである。ニコン P900の減光フィルターで試し撮りを行い、段ボールを利用してあるものを製作した。そのようにして、準備を着々と進めて来たのである。

そして、当日の午前8:43頃、P900で撮影した太陽を見ると、右上の辺りが薄ーっすらと欠け始めているのが確認できた。下は、その時刻から1分ごとに撮影した写真。減光フィルターとカメラのAEの加減で、時折こうして写真に色味が出る。

こんな風にして、今回の部分日食が始まった。僕は数分おきにP900での撮影を続け、息子は数年前の日食のときに買った日食グラスで観測したのである。

この日食グラスは、今回の日食の様子を報じたニュース映像の中でも、そこに映る人々が同じものを用いていた。かなり一般的なものなのだろう。
実はよく見ると、この日食グラスに取り付けられている黒いガラスは溶接用の遮光プレートである。遮光度番号13のものだ。僕は以前、この10番のものを使って、P900用の減光フィルターを自作したことがある。そのときのプレートと全くサイズが同じなのだ。

でも、溶接用の遮光プレートだからといって、日食の観測に問題があるのかというと、さにあらず。13番のそれは、「天文教育普及研究会」が、太陽観測用のフィルターのひとつとして「遮光性は、ほぼ安全なレベルであることがわかる」と述べている。(リンク先の報告書9ページ目)
きっと、上のような日食グラスは、そういった種類の研究結果に基づいて商品化されたのだろう、と推測する。つまり、きちんと科学的な根拠に基づいているというわけなのだ。

翻って、僕なんかが子供の頃には、焦がして煤をつけたガラスやら、濃い色の下敷きやら、バケツの水に墨汁を流して黒くしたものやら、皆んなそういった実に簡易な方法で日食を観ていたものだ。これは、今では絶対にやってはいけない方法とされている。
小学5年生のときだっただろうか、夏休みに部分日食が起きたことがあった。僕は、自由研究の題材にしようと考え、日食の始めから終わりまで、青い下敷きで数分おきに太陽を観てスケッチしたものである。幸い、失明することもなく今に至っている。

世の時代が下るとは、物事に対する対応の仕方が安全な方向に進むということでもあるのだなあ、と日食の度に思い起こすのであった。大変に有難いことであると思う。

さて、下の2枚は、午前8:50と9:01に撮影した写真。食がだいぶ進んでいることが分かる。このように、右上が欠けていたものが、日周運動のために徐々に左上へと向きを変えて来る。

下は、9:14からタイムラプスで撮り始めた写真の中から切り出したもの。多分、9:30頃の様子だろうと思う。食の部分が、もう左を向いているのだ。この頃から時折、薄雲が出るようになって来た。

こうして、日食の撮影をP900のタイムラプスに任せている間に、僕と息子は、段ボールを使って製作したもので、ある実験(?)を行った。ピンホールで太陽光を透かすのである。
ピンホールは、ただ羅列させただけでは面白くない。僕の十八番の絵の、ドラえもんの形にしてみたw 下書きに沿って、キリで150個くらいの穴を開けたと思う。これを太陽に向けてみたものが下の写真である。

光の粒ひとつひとつが、円いのではなく、やや凹んだような半円になっているのがお分かりいただけると思う。このように、小さな穴を通過する光もまた、そのときの太陽の形になるのというわけなのである。
ちなみに、太陽の欠けている部分は、先述のように上の方だった。ドラえもんの中の光は、欠けの上下が逆になっている。息子はこれを、「回折って言うんだね」と解説してくれたw ピンホール写真が上下逆に写るのと同じ原理なのである。

あと、ベランダの日よけシートを通り抜ける太陽光もまた、同様に、全て部分日食化していたのだw ベランダ一面がこの模様になって壮観だったのだけれども、綺麗に撮るのは案外と難しい。下が、いちばん上手く撮影できた写真だ。

さて、そうこうする内に、食は最大を迎えた。この地域では、午前10:06頃のことだ。下は、そのときに撮った写真。あとは、また徐々に元の姿へと戻る行程となったのである。

日食の終盤にはまた、薄雲となって来た。下は、午前10:30頃に撮影。食の最大から約25分後である。こうして見ると何だか、曇った夜の月の姿のようにも見えてしまうのだw

そして、この地域では、午前11:36に今回の部分日食が終了した。下の写真は、その8分ほど前に撮影。段々と雲が深くなり、丁度日食を終える頃合いに、太陽がすっかり見えなくなったのである。観測には、実に良いタイミングの天気だったと思う…。

…とまあ、こんな風にして、今年1回目の部分日食の観測と撮影を行ってみた。実は、今年は12月26日にも部分日食がある。
ただし、この地域では夕方の日没前に見えるそうなので、さて僕は観測できるのかどうか。どうも、そのときは仕事をしていそうな気がするのだ…。

……

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