今年のGWは、出来ることならば好きなことだけをずっとやって、家でのんびりと過ごそうと考えていた。きっと、何処へ行っても激しく混んでいるのかも、と思ったからである。
その中で唯一のお出掛けといってもいい、ラ・フォル・ジュルネTOKYOに行ってきた。毎年この時期になると東京で開催される、国際的なクラシック音楽祭である。
これについては、チケットを購入した際、以前の投稿でも触れたことがある。そう、小曽根真氏がピアノを演奏するガーシュウィンの「ラプソディ・イン・ブルー」を生で聴くためなのだ。
場所は、東京国際フォーラム、ホールA。もう何年前になるだろうか、某ファストフード会社の株主総会で入ったことのあるホールだ。まあ、コンサートホールというよりは、国際会議場といった方が良いのかも、という気がしないでもない。
最寄り駅は、東京駅。出口では、下のような横断幕を見ることが出来た。天皇陛下のご即位を祝賀している。有難いことだと思う。
でも、実に惜しいと感じたのは、その下に英語の表記があればなお良いのになあ、ということだ。日本がGW中だからというわけではないのだろうけれども、インバウンドのお客を周辺で多く目にしたからである。
さて、開場時刻より1時間も早く着いたので、ハイネケンとフランクフルトで、ひと休みw 締めて700円である。東京国際フォーラムの横では、飲食の屋台や土産物屋が多数出店していたのだ。
それから、入場無料のコンサートやイベントも所々でやっていた筈なのだけれども、ぶらぶら歩けどもなかなか行きあたらない。そういったものを見物しながら、開場までの時間を過ごそうとしたのに。
そんな中で、ひとつだけ見つけたのが、上の写真。ガラス越しに「威風堂々」が微かに聞こえてくる。これは、息子の大学の入学式で学生オケが演奏していた曲でもあった。
それから、小さな特設ステージの写真を。このときは、合間の何もない時間だったので、壇上には誰もいなかった。向かって左側から照らされているのは、強い西日が射していたためである。
まあ、そんな風に腹ごしらえをしたり、辺りを歩き回ったりしてから、東京国際フォーラム ホールAに入った。以前来たときには気づかなかったけれども、エントランスの床がぼんやりと白く光っていたのだ。ちょっとSF的な幻想があるなあと感じつつ一枚。
開場は、予定通り18時15分だったけれども、それから暫くロビーで待つことになった。「会場の準備が整うまでお待ち下さい」とのアナウンスがあったので、ひょっとすると、その前の公演が少し押したのだろうか?その影響が残っていたのかも知れない。
このラ・フォル・ジュルネTOKYOでは、午前中から夜まで、一日に6〜8つの公演を入れ替えで次から次へと開催していく。きっとタイムマネジメントが大変だろう、と思う。それは、この公演後にも感じたことである。
さて、5〜10分ほど待って、いよいよホールAに入ることが出来た。僕の座席は、前から6列目の、やや右寄りのところだった。上の写真は、開演前に撮ったもの。こんな感じの眺めである。
ステージ上では、長身で髭をたくわえたエレガントな出で立ちの調律師さんが、2台のスタインウェイを黙々とチューニングしておられた。鍵盤を駆け上がる指遣いが実に滑らかで、僕はそれをうっとりと聴いていたのである。
小曽根真氏は、開演時刻の19時を少し過ぎた頃に、オーケストラや指揮者と共に登場。19時半過ぎまでの約25分のうち、殆どピアノソロだっただろうか?という印象が残るくらいの、大盤振る舞いな演奏であった。
途中、ホルンとトランペットの奏者がオケからひとりずつ前に出てきてセッションとなったこともあった。色々とサービス精神旺盛な点が、如何にも小曽根氏らしいw とても楽しいパフォーマンスだったと思う。
小曽根氏の後には、ピアニスト(…とピアノも…)が交代して、ラヴェルの「ピアノ協奏曲」を聴いた。これら2曲併せて、約1時間の演奏会だった。「ラプソディ・イン・ブルー」が少し長くなった分だけ、この公演もやや後に押してしまったようである。
今年のラ・フォル・ジュルネTOKYOでは、小曽根真氏のあと20時から別のホールで行われた林英哲氏の和太鼓の公演も、かなり凄かったという話を仄聞した。そうか、聴いてみたかったなあ…。
そんな訳で来年は、ひとつと言わずふたつくらいは選んで出掛けてみようと思う。何せ、一公演につき1500円〜2500円とか、若しくは3000円くらいなのだ。実に、お安いものではないか⁉︎
さてさて、僕はきょうからまた仕事の日々なのである。息子も大学の授業があるので、実家に帰ってしまう。そんな平常運転に切り替わる前の、非日常な一日をこの日はちょっと堪能できた気がする。実に、良いGWの日々であった…。
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