ベルリン・フィルの新首席指揮者のCDが発売された。これは、あの指揮者に負けず劣らずのもの凄い演奏なのだ…

動画

もう1週間前のことになるけれども、僕は何気なく、タワーレコードのネット販売サイトに行った。CDやDVD、Blu-rayの新作情報などをチェックしようとしたのだ。

すると、クラシックCDの予約チャートで、黄色いジャケットのチャイコフスキー交響曲第6番「悲愴」が1位になっていることに気づいた。黄色なので、てっきりドイツ・グラモフォンなのだろう、と思った。
「悲愴」といえば、僕の大好きな曲目のひとつで、近年ではテオドール・クルレンツィス指揮ムジカエテルナ演奏のCDが世を席巻したことがまだ記憶に新しい。クルレンツィスについては、このブログでも何回か取り上げたことがある。

まあ、そんな「悲愴」なので、僕はつい食指が動いて、その項目をクリックした(iPad miniなので、文字通り指でそこを押したわけだけれども)。すると、黄色いのはドイツ・グラモフォンのカラーではなかった。
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団の自主レーベルCDだった。ベルリン・フィルは、6年くらい前から、こうして大手のレーベルを通さずに、独自に作品をリリースすることがある。その謂わば最新作なのだ。

発売日は、5月11日。ページを閲覧していた翌日である。だから、「予約」チャートだったのだ。これは、次期首席指揮者に決定している、キリル・ペトレンコとベルリン・フィルの組み合わせによる初のCDだ。
きっと、その期待値の大きさがそのまま首位という形になったのだろう、と理解した。ほほう、そんなに凄い指揮者なのかな?僕は興味が湧いてきて、早速ペトレンコ の動画をYouTubeで探してみた。

すると、ペトレンコとベルリン・フィルの「悲愴」のトレイラーがあったのである。下に貼ったのが、その動画だ。


(ご注意:冒頭から大き目の音が出ます)

これは、2017年3月のライブで、このときの演奏が今回のCDとなったようである。僕は1回観て、実に驚いた。何という熱のある演奏だろう。これまで色々な「悲愴」を聴いてきたけれども、圧倒的な迫力である。テオドール・クルレンツィスに負けてないぞw
ベルリン・フィルといえば、現在、コンサートマスターのひとりが日本人ヴァイオリニストであることも有名だ。樫本大進氏である。その樫本氏が、この演奏でもコンマスを務めている。

上の写真(動画のスクリーンショット)で、丁度真ん中に写っているのが、樫本氏だ。このように、ときには身を激しく捩らせるようにして弾いている。そのような、実に熱のこもった演奏である。
誤解を恐れず言えば、この演奏は、丁度この頃に世界を席巻しつつあったテオドール・クルレンツィスとムジカエテルナのあの物凄い演奏に対する、ベルリンフィルからの回答のひとつだという感じもしてきた。

クルレンツィスの「悲愴」のCDリリースは、実際にはペトレンコのこの演奏の約半年後になるのだけれども、クルレンツィスはそれ以前から「悲愴」をライブで何度も演奏していた筈だと思う。ペトレンコもきっと観ていたのだろう。
実は、ふたりとも、生まれが1972年2月。何と、誕生日が2週間も違わないという、全くの同い年である。ひょっとすると、クルレンツィスにとっては、遂に因縁のライバル出現、といったところなのだろう。

僕は、そう考えると、居ても立っても居られなくなってきた。是非とも、この黄色いジャケットのCDを買って、聴いてみなければ。いつものようにコンビニ受け取りに設定して、早速注文したのだった。

そして、翌週の水曜日。遂に、受け取ったのである。では、開封の儀だ。タワーレコードのロゴが入った細長い段ボール箱は、毎度のことなので、その写真は割愛w(でも、トップの写真に少し写っています…)
その箱の中からお目見えしたのが、上の黄色いジャケットである。CD用のプラスチックケースではなくて、横長の本のような形になっている。…というより、これははっきり言って、本であるw 35ページのブックレットの中に、CDが封入されているのだ。

上の写真は、裏面。この日本語が書かれた部分は大きな帯になっていて、その下には、英語で同じ内容が書かれた帯が別に重ねられて入っていた。この帯に書かれた「ハイレゾ・ダウンロード・コード」というのが、ちょっとしたミソである(後述)。
さて、このCDは、帯にも謳われているように、SACDとのハイブリッドになっている。しかも、そちらは、ステレオとサラウンドの2種類を収録だ。うーん、そんなCD、初めて買ったなあ…w

ブックレットの中には、別冊で、日本語の解説書も入っていた。基本的には、このCDは輸入盤なのだけれども、こうして帯や別冊で日本語対応をしているのだ。
そして、35ページのブックレットには、多数のカラー写真が掲載され、ドイツ語と英語で解説が書かれている。上の白い別冊は、その解説部分の和訳というわけである。

さて、付属品は、これだけではなかった。おまけが更に付いていたのだ。このCDには、ディスクの下に円い厚紙で作られたクーポンが入っていた。まるで、CDの下に敷くマットのようにして。

上の写真で、黄色いCDの下に、また同じく黄色いものが見て取れると思う。これがクーポンだ。ベルリン・フィルのネット視聴サイト「ベルリンフィル・デジタル・コンサートホール」の7日間無料視聴券である。
そこでは、ベルリン・フィルの数多くの演奏のみならず、キリル・ペトレンコのプレイリストや、上に貼った「悲愴」のライブ演奏の全長版が観られるそうである。

僕は、この「ベルリンフィル・デジタル・コンサートホール」を自室のBlu-rayプレーヤーに内蔵のアプリで少しだけ試聴したことがある。かなりの高音質かつ高画質だった。うちの貧弱なネット環境ではちょっと追いつかないかも…というくらいにw
でも、良い機会なので、家族が寝静まっていて誰もネットを使っていない時間を見計らって、是非ともペトレンコの「悲愴」を観てみようと思う。

さて、クーポンは、これだけではない。最近流行りのハイレゾ版が何と、無料でダウンロード出来るクーポンも併せて付いているのである。こちらについては先日、やはり家族が寝静まってから、指定のサイトに行ってダウンロードしてみた。
すると、そこでは2000円くらいの値段が付いていたハイレゾ版の音声ファイルが、クーポンコードを入れることによって無料かつ無制限でダウンロード出来るようになっていたのだ。いやあ、太っ腹であるw これは嬉しい。

ファイルのラインナップは、以下の通り。音声ファイルについては、いずれも24bit。(ちなみに、この曲のレコーディングは、24bitの192kHzで行われたそうである)

  • Digital Booklet
  • Digital Cover
  • Stereo 96k – WAV
  • Stereo 192k – WAV
  • Stereo 192k – FLAC
  • Stereo 96k – FLAC
  • Surround 48k – WAV
  • Surround 96k – WAV
  • Surround 96k – FLAC
  • Surround 192k – WAV
  • Surround 192k – FLAC

僕は、これらの中から、「Stereo 192k – WAV」をダウンロードした。ファイルサイズは2.6GBほどあった。夜、寝ている間に数時間かけて落としたのである。
このファイルをSDカードに保存し、USBを経由して自室のBlu-rayプレーヤーで聴くことにした。それは、一旦CD版の方を聴いた翌日のことである。

さて、そんなわけで、このCDは余りにも内容盛りだくさんなので、ここで一旦整理したいと思う。CD購入時の内訳は、以下の通りだ。

  • CD(ステレオ)SACD(ステレオ、5.1chサラウンド)ハイブリッド盤
  • 35ページカラー写真つきブックレット(ドイツ語と英語のライナーノーツ)
  • 別冊の日本語訳ライナーノーツ
  • 「ベルリンフィル・デジタル・コンサートホール」7日間無料視聴
  • デジタルカバー、デジタルブックレット、ハイレゾ・ステレオ版およびハイレゾ・サラウンド版の無料ダウンロードコード

これで定価3500円。うーん、余は満足じゃ、といった感じであるw

さて、実際に演奏を聴いてみた感想などを書きたいのだけれども、既に3000字を大幅にオーバーしているw 来週の投稿で書きたいと思いますので、どうぞ宜しく…。

ではでは、良い週末をお過ごしくださいませ。

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このペトレンコとベルリン・フィルの「悲愴」は、今年のレコード・アカデミー賞受賞となるかどうか、蓋し見ものですね。ちなみに、Amazonでは発売日以降もずっと、1〜2ヶ月待ちとなっております。はて、何故でしょう?お急ぎの向きは、別のショップで手配するというのも手かも知れません…。

チャイコフスキー : 交響曲第6番 ロ短調≪悲愴≫作品74 / キリル・ペトレンコ | ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団」(SACD Hybrid)
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