中秋の名月と、JFKのムーン・スピーチと。人類は月面に広がる灰色の大地を再び踏むことが出来るのか…

動画

早くも10月となった。1日の晩は中秋の名月だったのである。
秋らしく、さらりとした冷気を帯びた夜風の中、桜並木にしげる葉の向こうから、名月は楚々と昇ってきたのであった。その様子が、トップの写真だ。

しかし、満月になるのは翌朝であろう。ニコン P900をズームして観察すると、やはり左上のあたりにクレーターがいまだ露わになっているのが見えたのである。

まあ、そんな下世話な見方をしなくても良いのにw、と自問しつつ折角の月見を味わっておく。背後からは、バッハの「ゴルトベルク変奏曲」のアリアがCDで聞こえてくる。この曲は実に、月に似合う。

今月は、名月と満月が其々もう一度ある。名月は29日の「十三夜の月見」である。「後(のち)の月」ともいう。そして、31日には、今年もっとも地球から遠い満月となるのだ。
さて、2020年も早い一年となりそうだ。今年もあと、4分の1しか残っていない。それもまた、あっという間に過ぎゆくのだろうか…。


さてさて、NHKラジオで数ある英語講座の中に、「高校生からはじめる現代英語」という番組がある。「高校生からの」とは銘打っていても、大人の英語学習にも十分に対応できる内容なのである。
その番組の9月の放送で、J.F.ケネディの所謂「ムーン・スピーチ」を取り上げていたことを知った。嗚呼、聴けば良かったなあ。気づくのがちょっと遅かったのだw

この1962年の演説の中で、ケネディは米国の月面着陸計画への支持を訴えている。”We choose to go to the moon.”(我々は月へ行くことを選ぶ)という一言が有名だ。
翌年にJFKは暗殺されてしまうけれども、米国は1969年に念願の月面着陸を果たす。こうして公約は実現された、というわけなのである。

さて、9月のこの番組の放送は聴き逃したけれども、演説自体はいつでもYouTubeで見ることが出来るのだ。あと、番組テキストはまだネット通販で入手が可能だ。そこで早速、取り寄せることにした。


(上は、演説の会場となったライス大学が公開している動画)

そのテキストが、きょう届いた。見ると、演説の内容が抜粋して掲載され、実に詳しい解説が付されている。これならば、放送を聴くことが出来なかったとしても十分に勉強できそうである。有難いことだなあ。

僕は、先達ての投稿にも書いた通り、オバマ前大統領の演説を音読トレーニングの材料のひとつとしている。JFKのこの演説によくよく耳を澄ませてみると、オバマ氏の様々な演説と、文体(まるで英詩の様な韻律など)もスピーチの抑揚も非常に似ていることに気づかされる。
そうか、オバマ氏はケネディの持つスピーチのスタイルを目指していたのだ。斯くの如く、米国の歴史上稀有な大統領は今でも大きな影響力を与えているのである。これはそんな、英語の真髄のひとつと言える様な文章だと思う。

そんなことも味わいながら、このムーン・スピーチを音読トレーニングしていこうと考えている。現在、米国は2024年までに再度、人類を月へ送り込むことを表明している。それが実現されることもまた、期待しつつ…。

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NHKの語学番組の恒例として、番組の内容を収録したCDも発売されています。または、ネットから有料でダウンロードする事も出来るようです。でも、テキストに記載されている解説がとても詳しいので、ひょっとすると勉強にはこれだけでも十分かも知れません。僕はそう感じたので、今回は下のテキストだけの購入としました。それにしても、NHKラジオの語学講座のコストパフォーマンスの高さはいつも嬉しいですね。未来永劫、続いっていってくれたら有難いのですが…。
あと、このテキストに収録されているのは「ムーン・スピーチ」のハイライト版です。番組講師で筆者の伊藤サムさんにおかれては、是非ともコンプリート版を完成させた本を発売して貰えないでしょうか、と僕は切に希望しております…。

『NHKラジオ 高校生からはじめる「現代英語」 2020年 9月号』
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