先週の月曜日に実家へと遥々行ってきた。息子が大学へ通学するための自転車が壊れて買い換えたそうなので、その古い方を引き取るのが主な目的である。
他にも、積んで帰らなければならない物が様々あるので、今回は車で行った。僕の愛車は相変わらず、高速道路でも絶好の走りを見せてくれた。本当に僕の運転スタイルに合っている良い設計と性能の車だと思っている。
事前の満タン給油時に、ガソリンスタンドでタイヤの空気圧を十分に調整しておいたのも良かった。四輪とも大分エアーが減っていたからだ。道中は、YMOやラブサイケデリコの音楽が楽しいBGMとなった。
実家に着くと、兵庫の叔母が来ていた。母の姉である。103で亡くなった祖父の三回忌を先週末に同県内で執り行った後、こちらの家へ立ち寄っていたようだ。遠方の人なので、僕は滅多に会うことがなかった。母を交えてゆっくり色々な話が出来たのは何よりであった。
この家に下宿する息子は相変わらずである。黙々と食べ、黙々と勉強する。その合間にゲームなどをしている。僕がうちに帰るときに一緒に連れて行けば良いのだけれども、大学の授業が週末くらいまであるのだそうだ。
一方で僕は仕事のスケジュールのために、2〜3日の滞在で帰らなければならない。タイミングが合わないのだった。勿体無いことである。
さて、そんな折、僕が最近参加している英検1級のオンライン勉強会で開催されていた、英文エッセイ(英語小論文)コンテストの結果がメールで送られてきた。
僕は3作品を提出済みで、その3つとも優秀作品に選ばれていたのである。更にその中から、20人以上いるメンバーの相互評価によって順位をつけるという趣旨のコンテストなのだ。
26日のオンライン勉強会で結果発表の筈が、前倒しになったのかな?と考えつつ添付ファイルを開くと、順位表の上の方に僕の名が英字で3つとも目に入った。
おっ全部上位入賞したのか…と思っていると僕の名の横に「優勝」と書いてあった。結局、3作品の2つが得票数同数で1位、一人置いてもう1作品が4位に入賞という結果であった。僕にとっては予想外の快挙である。
正直なところ、3つの内ひとつは2〜3位くらいに入れば良いや、と予想していたので、これは少なくとも僕にとっては出来過ぎたくらいの結果であった。きっと、かなり多くのメンバーが僕に入れてくれたのだろう。とても有り難いことであった。
賞品は、ヨーロッパ直送のスパークリングワインだという。我々の先生である「ドクター」がオランダ在住で、その方が提供して下さるからである。これについては後述…。
…
さて、英文エッセイコンテストに優勝した際、父から幾許かの賞金が出た。結果発表後、すぐ父に報告(いや、自慢?w)したからである。「これで、勉強に必要な本をどんどん買え」と。これまた有難いことであった。
その言葉に甘えて早速、ネットで本を2冊注文し、数日後には届いた。
ひとつは人文科学分野について日英両語で説明した書籍。英検1級突破にはどうしても必要な、広範に渡る背景知識やそれら語彙を英語でも獲得しておくためである。僕が最近とみにお気に入りの「”英悟”の超人」こと植田一三さんの著作だ。
あともう一冊は、作曲家 吉松隆氏の自伝『作曲は鳥のごとく』である。大学の工学部を中退した後、独学で現代音楽の作曲家になったという異色の経歴の持ち主だ。
僕はこの方の音楽をことしFMラジオで初めて聴き、少なからず衝撃を受けた。こんなにも美しく特徴的なハーモニーと旋律を描く作曲家がいたなんて!という感じである。
それが、下の『鳥は静かに…』という曲だ。楽想に浮遊感が感じられると同時に、何とも言えないくらいに儚く切ない。自伝を読むと、吉松氏がそのような音楽性を持つに至った理由が感じられる。例えば、妹さんの早逝とか…。
音楽の方向性はやや異なるけれども、この曲はある意味において武満徹みたいだな、とも思った。そういえば、世界のタケミツも独学である。
吉松氏は鳥がお好きなようで、鳥に拘った曲作りをする。武満氏も「僕がどんなに頑張って音楽を作っても、鳥たちの歌声には到底かなわない」という趣旨の言葉を残している。両者そんなところが何処か通底しているようにも思う。
(…と、ここまで書いて気づいたのですが、以前の投稿でも僕は吉松隆氏について触れていました。しかも、上と同じ動画を貼ってw もし宜しければ、そちらもご覧ください)
さて、そういった2冊と一緒に、いま読み進めている最中の本も併せて積み重ねてみた。それがトップの写真だ。吉松氏の本以外は、いずれも英語学習に関するものか米国の洋書である。これらを年末年始にせっせと耽読しようと思っている。
その際の音楽は、ベルリンフィル・デジタルコンサートホールの配信を聴く。無料視聴クーポンが残っているのである。世界最高水準の音楽を背景に、英語という謂わば世界語に関する本を心ゆくまで読む。このような至福で贅沢な時間を過ごすのが楽しみだ…。
…
さてさて、先日、ヨーロッパ直送のスパークリングワインが届いた。これは、上述の英語エッセイコンテストで優勝したときの賞品である。
大阪在住の方が中継ぎしてここまで送り届けて下さったのだ。その方は、英検1級勉強会およびエッセイコンテストの主催者で、69歳で英検1級に合格したという、これまた凄い人なのである。
スパークリングワインは、エアパッキンやアルミのシートなどを利用して厳重に梱包されていた。嬉しいことである。それらを解くと、金色のラベルが貼られたボトルが現れた。海外直送なので、何処にも日本語の表記がない(当たり前かw)。
ラベルに書かれている「J-D VAUTIER」という品名でネット検索してみたところ、日本国内ではとてもレアな銘柄であることを知った。原産国はスイスで、お値段は何と6000円だという。
凄い!こんなに高価なものを提供して下さった我らがドクターに心より感謝しなければ。この英検1級勉強会は、きょう大晦日にオンラインで年越しをやる。そのときに開封し賞味したいと思う。うーん、楽しみなこと、この上ない。
上は、先達て銀座で買った獺祭スパークリングと一緒に撮った一枚。右のスイス産スパークリングワインは、左の獺祭スパークリングの約3倍のお値段というわけである。いずれも、よーく味わって飲もう…。(次の投稿に、つづく)
……
上に書いた、吉松隆氏の本は、こちらです。僕は一度、この本を図書館で借りて読んだのですが、やはり手元に置いておきたいと思い、改めて購入しました。吉松氏は以前、NHK-FMのクラシック音楽番組に出演していましたが、そのときの幾分訥々としながらも知的な語り口そのままの文体で生い立ちが綴られています。僕も、英語のみならず音楽など色々な分野で殆どが独学であったため、この本を共感しながら読むことが出来ますね。特に、「独学とは『師匠がいない』ことではない。すべての作曲家が『師匠』であることなのだ」(P.245)は蓋し名言です。僕も目下、英語学習において「周囲のものは全部、自分の師匠」のつもりで取り組んでいます。これからも、きっとそうなのでしょう。
さて、ことしも当ブログをお読みくださいまして、どうも有難うございました。来年もまた、引き続きのご愛顧をどうぞ宜しくお願いいたします。では。ペコリ…。