僕は今でも、「現役サウンドクリエイター」…!?

音楽

一昨日、新海誠監督について少し触れたときに、「(僕も)同じ業界の企業に勤めていたことがあった」と、思わせぶりなことを書いた。これは、ゲーム業界のことである。

もう、今はかなり有名な話になってしまったけれども、新海監督は、二十代の頃に日本ファルコムという、パソコンゲームの分野では最大手と言って良い企業で、デザイン等の仕事をしていたことがあるのだ。日本ファルコムは、80年代から今に至るまで、ヒット作を連発中のゲーム会社である。僕も、高校生から大学生の頃にかけては、特にこの会社の大ファンで、ゲームを幾つもプレイしたものだった。

そして、僕も日本ファルコムに就職することを夢見たことがあったけれども、実際に応募したのかどうかは、もう覚えていない。でも、とにかく、僕が実際に入ったのは、別のゲーム会社だったのだ。
社名は伏せるけれども、某社傘下のソフトウェアハウスだ。そこは、こんな浅学非才の僕を、実に有難くも迎えてくださったのである。子供の頃から特に何かの楽器を習っていたわけでもなく専ら独学で、趣味と遊びだけで音楽をやっていたような者を、サウンドクリエイターとして採ってくれたのだ。

サウンドクリエイターの業務とは、ゲームのBGMや効果音を、シンセサイザーやコンピューター等を用いて制作することである。比較的小さな会社だったけれども、好きなことをさせて貰ったと思っている。有名な音楽スタジオや海外旅行など、色々なところにも連れて行ってくれた。
僕が幾つか担当した作品のうち、2曲だけをここに載せてみたい。どちらかと言えば知名度の低いゲームから選んでみたけれども、メーカー名や作品名を載せるのは、ご勘弁。いまどきは、ゲームクリエイターのデーターベースなるものが海外のサイト上にあって、たちどころに身分等等がバレてしまうからだ(苦笑。

ひとつは、サンバ調の曲。長さは3分くらい。

もうひとつは、エレクトリックのロック風。こちらは3分半くらい。


このブログでは、こうして初めて音楽ファイルをアップロードしてみたのだけれども、その際には迂闊屋さんにご助力をいただきました。どうも、有難うございます。


では、僕は今でも、ゲームのサウンドクリエイターなる仕事をしているのかというと、やってはいない。そのときの会社は、もう辞めてしまったのだ。でも、勝谷さん風に表現すれば「今でも現役サウンドクリエイター」なのかも知れない、とも思う(苦笑。

音楽を作るということは、案外誰でも出来るという訳でないようだ。…というと変な言い方かも知れないが…。
その会社を辞めた後も、あるCDを持ってきて、「この曲のカラオケを作って欲しいんだけど」と言って来る人がいた。僕は、その申し出を引き受けて、何曲かをいわゆる耳コピで作ったことがあったけれども、そのときには大層驚かれた。「CDを聴くだけで、作れちゃうんですね」と。「CDを聴くだけ」と言えばそうなのかも知れないけれども、そうでもないのかも知れない。実際には、アタマの中で鳴っている音楽も聴いて作っている、と思っているからだ。

この、アタマの中で音楽が鳴っている、ということが重要で、これがある限りは、僕はまだまだサウンドクリエイターでいられるな、と思っている。だから、「現役」なのだw

最近また、曲づくりを頼まれた。東大受験生などを指導する数学講師で、且つヒップホップダンス教室主宰という知人が、彼の息子さんと一緒にラップをするためのバックトラックを作って欲しい、と言ってきたのである。よりによって、ラップ(苦笑。僕は、ラップと言えば、m-floしか好んで聴いたことがない。でも引き受けた。
その人からは(…多分、ご本人はもうお忘れだろうけれども)、恐竜をモチーフにしたサイトを作ったので、テーマ曲として恐竜っぽい曲をひとつお願い、とも去年言われていたのだ。恐竜っぽいと言うことは、「ジュラシック・パーク」のような曲調なのか。もしそうならば、オーケストレーション必須である。それはちょっと面倒だなあ…と逡巡しているうちに一年近く経ってしまった(…ゴメンw)。


ああ、こうして、自分自身のことを書いていたら、いつもに増して、こんなに長くなってしまっている…(苦笑。
最後に、僕の家に現在ある、音楽制作関係の機材の写真を載せて、締めくくります。どれもこれも、むかし買った旧いものばかりですが…勿論まだまだ使えます。
(ちなみに、上の写真は、YAMAHAのEOS B900。「小室哲哉プロデュース」という触れ込みだったシンセサイザーです)

ピアノも、YAMAHA。アップライトの電気ピアノ(電子ピアノではない)。

KORGのi3というシンセサイザー。何かと便利なシンセ。今回のヒップホップは、これで作るかもw

音源モジュールたち。上から、AKAIのサンプラー(CD3000XL)、その下には、ヨロンさん、Rolandが3台ありますヨ!(SC-88VL、MT-32、CM-300)あともうひとつは、KORGの05R/W。

あとは、YAHAMAのミキサー2台。それから、Macとシンセを繋ぐための、OPCODEのMIDIインターフェイス(Studio4)。あと、写真には写っていないけれども、SONYのマルチエフェクター(MP05)もあります。

では、長文読了をどうも、有難うございました。(ペコリ)

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さて、新海誠監督の『秒速5センチメートル』ですが、未見の方は、是非ともご覧になってみて下さい。たったの63分間で、滂沱のような涙と切なさの嵐に浸れること請け合い…。でも、そこにこそ新海監督の作風の本質があるのだろう、と僕なんかは思うのです。

『秒速5センチメートル 通常版』(DVD)
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