VUメーターの組立キット、製作は続く。今度は、プリント基板へのハンダ付けなのだ…

電気・電子

VUメーターの製作記、4回目。(前回は、こちら

前回書いたように、最初から、ラベルの天地を逆にして貼ってしまったり、プレートの前後を間違えてメーターをビス留めしてしまったり、ミスを連発したのだったw
ラベルに関しては、何と逆に貼ってしまっても、穴の位置がぴったりと合うのだ。穴を左右対称にあけてあるのだろう。これは、誰もが貼り間違えをしやすい点だろうと思うので、組立説明書での注意喚起が特に必要だっただろう、と思う。

まあ、これに限らず、説明書の類は、そもそも内容をよくお分かりになっている方が作成するものなので、どうしても通暁した立場からの目線になってしまう。
一方で、説明書を読むのは、勿論、初めての人が殆どの筈である。そこに、ある種の齟齬や隙間が生じる。内容に不案内な人たちにとって、これではよく分からないという点が散見され得るのだ。

僕は普段、様々な機器の取扱説明書を読むときには、そういったことを念頭に読み進めるようにしている。分かっている人が、分かっていない人に対して、書ききれなかったことが何であるのか、ということを読み解くのである。
これは、塾で英語を教えるという、僕の仕事にも通じることだと思う。生徒たちは、テキスト(所謂、塾教材)に書かれた各単元を、毎回のように初めて学ぶことになる。僕は、生徒たちが、ここを分からないだろう、という点を先回りするようにして解説していく。

そうやって、テキストと生徒たちの間に横たわる、ある種の隙間を埋めていくということが、教える者の役割のひとつだ。自分はここを分かっていないのだ、ということを独りで自覚できるのは、実は相当に高度なことなのである。
一般的に、かなりの人たちは、様々なことについて、自分が分かっていないことを自覚すらしていない。知らないということそのものを知らないまま、生きているのである。または、余りにも多くのことが見えていない、ということに気付かずにいる、と言うべきか。

良きにつけ悪しきにつけ、それを気付かせることを職業やビジネスの種にしている人たちもいる。人に物事を教える仕事は、その最たるものかも知れない。きっと宗教も、その中に含まれるのだろう、とも思う。
僕は、何であれ手作業をしている最中は、脳内の余った領域でよく色々と夢想したり考え事をしたりする。今回の製作中は、上述のように、ちょっと間違えたということもあって、それをきっかけにして、そんなことを考えていたのだった…。


さて、プリント基板に、部品のハンダ付けを行う。部品は、其々が小さいながらも大きさがまちまちで、特に基板からの高さが異なっている。抵抗やダイオードのような背の低いものは先に、電解コンデンサやトランジスタなど背の高いものは後にすると良い。

組立説明書は、その辺りの手順に従って書かれている。つまり、抵抗やダイオードからハンダ付けしていくようになっている。親切である。抵抗は、その値が色の帯で表記されている。それをよく見ながら選び、基板に表側から差し込む。ダイオードは向きがある。
差し込んだ後は、基板裏側ではみ出た足を折り、仮留めする。ハンダ付けを行い、余分な足をニッパーで切る。これで、部品ひとつ分の取り付けが終わる。これを、ひたすら繰り返すのだ。

しかし、単純作業のようでいて、そうではない。電解コンデンサには、プラスマイナスの極性があるので、逆に差し込まないよう、プリント基板の表記をよく見てから差し込まなければならない。
他の部品、例えば、ダイオードだけでなく、トランジスタやICにも決められた向きがあるので、入念な確認が必要である。しかし、いかんせん、部品が実に細かいのである。全長2~3mm程の部品の向きを間違えないようにする、というのは案外大変だ…。

トップと上の写真は、抵抗とダイオード、あとセラミックコンデンサをふたつ付けたところ。プリント基板の表側と裏側である。それを、組立説明書の写真と並べて撮影した。
ここで、空腹を覚えたので、一旦休憩。1時間くらい作業していたつもりが、もう2時間以上も経っていたようだ。丹念に確認しながら作業を進めているので、時間がかかっている。

昼食後、残りの部品のハンダ付けを行なった。ICやトランジスタ、電解コンデンサとフィルムコンデンサである。電解コンデンサに極性があるのは、上に書いた通り。プリント基板のプラスマイナス表記と、間違いなく合わせていく。
ICやトランジスタは、特に熱に弱いので、付け間違えたら厄介である。一旦ハンダを剥がすために、余計に熱に晒すことになる。向きを間違えないよう、特に気をつけた…。

…の筈が、やらかしてしまったのであるw トランジスタをひとつ、逆向きにハンダ付けしてしまった。プリント基板には、台形の記号が印刷されていて、その形に合わせて差し込むのだけれども、長辺と短辺を反対に見ていたらしい…。
いや、これも言い訳だけれども、トランジスタが小さすぎてw、長辺と短辺の差が、多分1mm強しかないのである。殆ど見分けがつかないw ガッカリしながら僕は、トランジスタの3本の足のハンダを手早く剥がすのだった…。

伝統的に、トランジスタは、長辺と短辺とか、平らな方と丸い方とか、形状で向きを判別するようになっているのだけれども(長辺や平らな方に、記号や番号の印字がある)、部品がここまで小さいと、それも無意味のような気がするなあ…。
まあ、そんな問題提起をしても直ぐに変わるわけではないので、とにかく作業を進めることにした。他は、間違えることもなく、プリント基板への電子部品のハンダ付けは無事終わったのだった。

上の写真2枚は、そのとき撮影したもの。(ハンダ付けのない箇所は、今回の製作では使わないところ)
抵抗は向きが決まっていない部品なのだけれども、色の並びがバラバラにならないよう、向きを自分で決めてハンダ付けした。そんな風に、見た目がなるべく綺麗になるようにと考えて取り付けていったので、これには満足している。

さあ、次はいよいよ最終段階と言うべきか、プリント基板やメーター、ボリューム、スイッチ類との間の配線である。この小さなプリント基板に何本もの線をハンダ付けしていく。
これがまた、結構大変な作業であった。狭さと細かさ、あと多少の短さとの戦い(?)なのだ…。いやあ、プリント基板は、本当はやっぱり大きい方が余裕があって良いですよね…w (次回に、つづく)

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