坂本龍一『async surround』のBlu-rayが届いた!それと、もうひとつ珍しい音楽ビデオも観たのだ…

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本日は、坂本龍一キョージュの最新作『async』のBlu-ray版である、『async surround』が届く筈の日なのだ。昨日、「発送しました」というメールが届いていた。いつも、発送の翌日には到着している。

嗚呼、この日をどれほど待ち侘びていたことか。昨年ワタリウム美術館で開催された展示会のファンコメントに、キョージュが「今年中には出したいと思います」と返答して幾年月(…やや大袈裟w)。
つ、遂に、擬似サラウンドではない、本当のサラウンドを使って、家で『async』を視聴できる日が来たのである…。それが、本日の午後に届いた。早速、開封の儀である。

まず、上の2枚の写真は、ジャケットの表側と裏側。なるほど、CDやLPの『async』とほぼ同じデザインだ。あの横に伸びた写真が使われている。ちなみに、これはキョージュのご自宅のテラスに置いてある植木鉢を写したものだ。

封筒の宛名ラベル下には、このような注意書きが添えてあった。本当は、28日発売だったと思うのだけれども、1日早い分にはオッケイなのだろうか?そゆこと?まあ、有難いことである…。

ジャケット裏側の曲目部分と仕様部分。これから購入なさる方は、ご参考に。音声は、リニアPCM(ステレオ)とDTS HDマスターオーディオ(サラウンド)を収録。24bitの96kHzである。このふたつは、再生開始時のメニューで、いずれかを選択できる。

ビニール袋から取り出して、開いたところ。キョージュの他のDVDやBlu-ray作品のように、デジパック(…と言うのだろうか?これも)仕様となっている。実は、このジャケットは、ブックカバーのようになっている。

ブックカバー様のジャケットを外すと、このようなデザインになる。まあ、この辺りについては、CDと同じような仕様になっているということだろう。

さて、仕事へ行く前に、取り急ぎながら視聴してみた。やはり、音が素晴らしく良い。CDを超えるビットレートと倍以上のサンプリング周波数に加えて、サラウンド音響なのである。もう、こりゃ堪らん…なのだw
ひょっとしたら、僕は、この日のために、何年も前にサラウンドシステムを揃え、最近はモニターを買い換え(…中古だけれども)、そして、VUメーターを組み立てたように思われてならない。うーん、全てはこの作品のために用意されたのだ、きっと…。

それから、映像も素晴らしい。ワタリウム美術館で観た、あの横に伸びていく写真もあれば、今回のBlu-ray化のために撮影したのだろうか、森林や川などの新たな映像もある。いずれも、高精細で本当に綺麗…。音楽にも良く合っていると思う。
その映像を観ながら、『async』の諸々のサウンドが、縦横無尽に頭上を飛び回る…。うーん、至福のときである。仕事がひと段落したら、ワタリウム美術館のときのように、部屋を真っ暗にして没入してみたい。是非とも。


さて、先達て図書館へ行った際、少し珍しいビデオを借りた。VHSのビデオテープである。作品名は、『武満徹 日本シネマ館』という。


(ジャケット表側)

僕は最近、VHSのビデオデッキを復活させて以来、図書館へ行く度に、ビデオテープを置いてある棚もよく物色している。この作品は、前回行った際には見かけなかった筈だ。誰かが借りていたのだろう。
返却されたタイミングで、僕が図書館へ足を運んだものだからうまく見つけることが出来たのだ。ラッキーなことである。そうでなければ、また他の誰かが借りていたのかも知れない。

そんな風に、今でも需要のあるビデオである。でも、ざっとネット検索してみたところ、DVD化はされていないようだ。また、目下のところ、中古のビデオが出回っているわけでもない。レア作となっているのでは。
内容は、何処かで開催された、映画音楽コンサートを収録したものである。全曲、武満徹作曲だ。ステージのスクリーンに、「’87」と出ているのが見えるので、1987年の開催なのだろう。

全11曲の収録で、殆どはオーケストラ。作曲家の林光指揮、新日本フィルハーモニー交響楽団の演奏だ。他に数曲、ジャズバンドやギタートリオの演奏、あと歌ものもある。
その歌のゲストとして登場するのが、井上陽水。あと、11曲目の前に、数分間のトークのコーナーがあるのだけれども、そこに武満徹ご本人と、何と映画評論家の淀川長治氏が登場する。いろいろと豪華な面々である。


(ジャケット裏側)

ビデオ全体の尺は、57分。もう、あっという間である。僕は、寝る前にちょっとだけ観るつもりが、結局、最後まで全部観てしまったw 武満徹映画作品の生演奏を視聴できるビデオは、今やとても貴重だと思う。

是非ともDVDで再発売して欲しいところだけれども、色々と大人の事情が絡んで、難しそうである。このビデオでは、演奏中の模様に加えて、各映画作品の名場面の映像が挿入されている。きっと会場でも、スクリーンに映し出されていたのだろう。
映画によって、監督やプロダクションがまちまちである。権利関係が複雑そうだ。あと、黒澤明監督作では、映画の映像ではなく、監督の手による絵コンテが映る。あの有名な、カラー彩色の絵である。

そのように、出演者が多岐に渡っている上、映像関係も様々なものが入っている。とても豪華な作りになっているのだけれども、その分、再発売に向けての困難が考えられる。
加えて、発売元がどうも、所謂メジャー系の音楽関係企業ではないようで、今でも存続しているのかどうかについても、僕にはよく分からなかった。そのあたりにも、難しさがありそうだ…。

内容は大変に素晴らしいビデオで、武満ファンや日本映画ファンなど、多くの人たちに観ていただこうにも、VHSビデオで見つけ出す以外には手段がない、というのが現状のようである。
これだけでなく、武満徹作品には、現行(国内盤DVDなど)で見られなくなっているものが、案外と多くあるように思う。小澤征爾氏が指揮をした『ノヴェンバー・ステップス』のビデオや、京都など日本の美しい風景を紹介した映像作品『夢窓 (Dream Window)』などなど。

実は、上に挙げたふたつは、YouTubeで探すと観ることが出来る。しかし、DVDやBlu-rayで視聴した方が、遥かに高音質高画質だろう。
僕は、武満徹氏の作品はどれもこれも、日本の宝のようなものだと思っている。その映像作品が、廃盤となったまま現状では観られなくなってしまっていることを、とても残念に感じている。このまま埋もれさせてしまうには、余りにも惜しいのだ。

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CDで『async』を既に購入済みの方にも、超オススメ。高音質版で、この作品の音世界に、更にどっぷりと浸って下さい。今まで聞こえていなかった音色が、何か発見出来るかも…。そんな風に一層、懐の深い作品に仕上がっています。

坂本龍一+高谷史郎『async surround』(Blu-ray Disc)
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