先達て、3回に分けて、高尾山に登ったときのことを書いた。6号路を歩いて登頂したのである。僕は、その山頂で400円のスーパードライを買って飲み、お握りを食べて休憩した。
それから、濡れたTシャツを着替え、首に巻いたタオルも取り替えて、次の山へ向けて出発。目指すは、高尾山の隣にある、小仏城山という山である。標高は、670m。高尾山より少し高い。
小仏城山方面へ行くには、山頂の広場から少し下りた場所(ここもベンチなどを置いた休憩スペースになっている)にある、下り階段の入り口からスタートするのだ。
上のような看板が立っている。小仏城山よりもずっと先にある、陣馬山という山のことが大きく書かれているので、少々分かりにくいと思う。先ずは、その手前にある小仏城山のことを朱書きすべきなのではないだろうか、という気もする。
兎にも角にも、この看板の横にある坂を下る。石のタイルでよく整備された、長い階段である。僕は、リズミカルにトントントン…と下りて行った。いやあ、こんな調子で次の山に行けるのならば楽だなあ、などと楽観的に考えながら。
3分も歩くと、石の階段は終わり、砂利道の登山道に出た。いよいよ、ここから再び山登り、という感じである。この道は、5号路という、別の登山道の一部なのだ。
道端には、猫が1匹、悠然と歩いていた。何を食べて暮らしているのだろう?写真を撮りながら眺めている内に、何処かへ行ってしまった。僕は、更に歩みを進める。この先の登山道を少々登ると、もみじ台という眺望の良い場所に出た。
トップの写真が、もみじ台である。ベンチが幾つも設置され、休憩場所になっている。お茶屋さんもあるのだけれども、僕が行った日は休業日であった。
高尾山の山頂のお茶屋さんは、何処も営業していたのだけれども、このように他の場所のそれは皆、休みだったのである。このことで、後に僕は少々困った(?)ことになるのだった…。
さて、このもみじ台、高尾山の山頂同様、富士山方面の眺めが素晴らしい場所である。但し、先達ても書いたように、この日は山並みに雲が掛かっていたので、残念ながら富士山の姿を目にすることは出来なかった。
でも、僕はあることを思いついた。富士山が見えなければ、それを隠している雲を撮って楽しもう、と考えたのだ。バッグから三脚を取り出して伸ばし、P900を据えた。タイムラプス撮影である。(下の動画は、無音です)
以前、家のベランダから雲の動きを撮ったときのように、25分間の撮影モードを利用した。そこで出来上がった動画は、10秒間のものなのだけれども、動画アプリで半分の速度に落とし、20秒間に変えてある。
この動画のちょうど真ん中に、富士山が見える筈だったのだ。夏は、このように雲が多く発生するので、やはり遠くを眺めるには不向きなのだろう。でも、まあ富士山を眺めるのは、次回のお楽しみとしておくことにした。
さて、この25分間の撮影中、僕は周囲に何もないベンチの上で、ジリジリと強い陽射しに晒されていた。横のベンチでは、何処かのおばちゃん達がお昼ご飯を食べながら、お喋りに興じている。
そんなときに、目の前の茂みの中で、興味深いものを見つけた。写真を撮ろうにも、P900は使用中である。こんなこともあろうかと、予備機のつもりで持参していたiPad miniで、この様子を撮った。
カマキリだ。何と丁度、虫を捕食している最中だった。捕らえられたバッタのような昆虫は、はじめの内こそジタバタと抵抗していたけれども、暫くして動かなくなった。頭から喰われてしまったからであろう。
カマキリは、獲物をゆっくりと食んでいた。僕がタイムラプス撮影をしている間中、25分間丸ごと時間をかけていたのである。また、時折、こちらを見ていたようだった。反対に、僕も、カマキリをずっと観察していたのだ。
タイムラプス撮影が終了すると、僕は足早に、この場所を後にした。余りに陽当たりが良いために、暑くて敵わなかったのだ。あ、そうそう、高尾山の山頂や、このもみじ台にいるとき、富士山の方角にある小さな山の上に、ちょっと面白いものを見つけたのだ。
上の写真は、P900のズームで撮ったもの。確か、1000〜2000mm相当の望遠だっただろう、と思う。森林に囲まれた場所に、何か人工的な建造物が見えたのだ。はて、これは何だろうか?
こちらの写真は、4000mm相当までズームした。遊園地のアトラクションのように見える。大きなブランコのようなものだろうか?その隣には、別の赤色のアトラクションがあった。
うーん、どうやら、これは遊園地で決まり、のようだ。でも、何という遊園地なのだろうか?富士急ハイランドではなさそうである。あそこには、もっと目立つ豪快なジェットコースターがあるのだ…。
上は、観覧車を撮った写真。ズームで目一杯の、8000mm相当まで持って行った。手振れをどうにか抑えて撮ったのだ。あとで調べて分かったのだけれども、これは相模湖畔にある遊園地のようだ。高尾山からは、直線で4km程の距離である。
さて、こうして僕は、高尾山を離れた。また、暫くの間は、上の写真ように、下りの階段である。つまり、高尾山を一旦下山している、ということなのだろう。
しかし、それも束の間、すぐにまた、上り階段が新たに始まったのである。ここからは、小仏城山への登り道というわけだ。しかし、一度下りの安楽を味わってしまうと、再び味わう登り道は、如何にもキツイ…。
上のような、木の階段が設けられた坂道を、延々と上って行く。これは、高尾山の6号路と異なり、風光明媚な沢や滝などが周囲にあるわけではないのだ。ただ、人工的な登山道が只管に続くのみである…。
これはキツいことになりそうだ…という予感を感じつつも、山を3つ登って行くのだ、と一度決めた以上は登らねば…と自らをどうにか鼓舞しつつ、一歩一歩あゆみを進めるしかなかったのだった。
そんな風にして登った、小仏城山。高尾山のときのように、冷たい飲み物で喉を潤すことを楽しみに、その山頂に立ったのだけれども、そこで僕が見たものとは…?次回に、つづくのであった。
……