夕刻の西の空に、三日月を撮影。ついでに、ちょっとした実験(?)も試みたのだ…

宇宙・天体

前回も書いたように、きのうは午前中も午後も、ずっと曇りがちだった。でも、夕方になると綺麗に晴れてくれたのである。どうやら、願いが通じたようだw

この日の夕方、西の空に見える三日月を撮影しようと、数日前から狙っていたのである。日没間際に、三脚を担いで出掛けた。すると、やや高い仰角高度に月が見て取れる。電線がちょっと邪魔だけれども、これはこれで後にある実験(?)で利用したのだ。

すると、飛行機雲を白く引きながら横切っていくジェット機があった。上の写真の向かって右側である。ズームで撮ると、機体は見えずにランプだけが幾つか光っている。日中に撮る飛行機とは別の味わいがあるなあ、これは。

暗くなって来てから、地球照を抱えた三日月が撮れた。今日の月は、先達ての日曜日の明け方に撮ったものと、ほぼ左右対象の形になっている。数日でこのように変化するから、やはり月の観察は面白い。

さて、三日月を撮って行った実験(?)とは、何か?
ふと思いついて、手前にあった邪魔な電線に、三日月を横切らせて撮影してみたのである。すると、電線が被っているところだけ三日月が途切れるのではなく、其々ちゃんと完全な月の形に写っているというわけなのだ。

何が分かるのかというと、所謂「光の回折」が、ここでもちゃんと起きているということなのだ。それが確認できて、実に面白いなあ(…と思っているのは僕だけ?w)。

光の回折とは、光の進行方向に障害物があった場合、光がその障害物を回り込むようにして進んでいく現象である。下のサイトの解説が分かりやすいと思う。


(出典:「光学総合サイト」)

この現象のために、三日月の前に電線が横切っていても月の形は途切れることなく見える、というのが文系である僕の理解なのであるw 多分、これで合っていると思うのだけれども…。

そこで、撮影が済んで帰宅後、物理が得意の息子にこの写真を見せたら、ふーんという感じの反応。僕が「これも光の回折の一種だよね?」と確認するも、「うーん、どうかなあ。よく分かんない…」とにべもないw
やはり、この実験を面白がっているのは、どうやら僕だけだったようである…w まあ、これも身近なところで出来る科学実験、ということで(笑。


あともう1枚、この夜に撮った写真を載せておきたいと思う。おおいぬ座のシリウスである。『藤井旭の天文年鑑』に「シリウスの伴星に注目」と書いてあったのだ。下は、そのページ。


(出典:『藤井 旭の天文年鑑 2019年版: スターウォッチング完全ガイド 』P.27)

このようにして、-1.5等級のシリウスの横に、8.5等級の伴星が見えるというわけなのである。でも、8.5等級というのは随分と暗いなあ…見つけられるだろうか?と半信半疑であった。

家のベランダに三脚を据えて、ニコン P900のズームをほぼ目一杯にして撮ってみたのが上の写真。案の定と言うべきか、やはりシリウスしか写っていなかったようだ。
実は、上の写真では非常に分かりにくいのだけれども、P900のモニターでこの写真を見ると、シリウスとは別に、ふたつ程の星が非常に暗く写っている。それの何れかが伴星かどうかは不明だ。でもまあ、主星たるシリウスが綺麗に撮れたので良しとしておこうか…w

まあ、ゆうべはこんな風にして、三日月を撮ったり、シリウスを撮ったり。日中は曇っていた空が、日没後には(大気の揺れはとても大きかったけれども)クリアに見ることが出来て良かった。そして、この後、夜空は再び雲に覆われたのである…。

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ことしの分の『藤井旭の天文年鑑』をまだご紹介していませんでした…。この本は多分、本家『天文年鑑』の青少年版といった位置付けの一冊なのだろう、と思います。データー類の掲載は必要最小限に留め、この1年間の天文現象を中心に、星空を分かりやすく解説しています。例えば、今月はどんな天体ショーがあるのだろうか?というときなどにとても重宝しますね。僕も、まずこの本に目を通してから、先々の観測や撮影の予定を考えます。天文ファン必携の一冊と言えるでしょう。

『藤井 旭の天文年鑑 2019年版: スターウォッチング完全ガイド 』
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