これぞ驚異の3D天体写真集!夢と神秘の宇宙体験‼︎ 嗚呼こういう本を待っていたのだ…

宇宙・天体

今週の日曜日は、平日と同じ様に午前4時過ぎに起床した。夜明け前の東天を撮るためである。この日は月齢26ほどの薄月が明けの明星と隣り合って見えている。幸い雲も少ないので、絶好なる撮影のチャンスというわけだ。

下は、この虧月のアップ。遥か東方から昇りつつある陽の光を受け、下の方が特に黄色味を帯びて光っている。

そして、こちらは金星。この日は、月の形に例えると、下弦の半月の様な形に見える日だったのだけれども、下の通り、まるで三角形のお握りみたいに写ったw もう少し絞ったら、半円に見えたのだろうか?

さて、これらの撮影後、25分も経つと、東の雲が茜色に染まり始めた。その様子が、トップの写真だ。
日の出まではまだ30分くらいある。夏の大気は湿度を多分に帯びているせいであろうか、こうして雲の色付くことが他の季節よりも多いように感じられてならないのだ…。

薄月は、そんな紅くも白い高層雲の群れに覆われるように消える。それでも、写真を見ると鋭角のエッジが効いた弓形をまだ認めることが出来るのだ。さて、トップの写真のどこに隠されているのか、お分かりになりますかな…?


さてさて、前回の投稿の最後にも書いたけれども、先達て、実に興味深い本を見つけた。
ちなみに定価は2000円以上。でも、古本だったので300円ほどで買うこちが出来た。大変に素晴らしい本なのだけれども、人気がないのだろうか、はて?この辺りのいずれの図書館にも所蔵されていない様だし…。

中身は、星座の写真である。ただし、普通の写真集ではない。表紙に取り付けられている専用のメガネで見ると、立体的に観察できるというものなのである(一応、メガネを使わず裸眼で見ることも出来る)。この「立体的」謂わば3Dというところが大いにミソなのだw
何と、星座を象る其々の恒星が、地球からの距離に応じて手前に見えたり奥の方に見えたりする、ということなのである。つまり、星の距離感が掴める星座写真集ということなのだ。(…想像つきますか?)

ちなみに、僕はクイーンのブライアン・メイが作った月面3D写真集も持っている。(それについての投稿は、こちら
その本もまた、やはり専用のメガネ付きで、クレーターなどがデコボコと立体的に見えるというものだ。まあクレーターは元々立体物なので、それを3Dで見せるというのは有りだろう、と思う。

しかしながら、夜空をどの様に見上げても平面的にしか観察し得ない星座を立体的に見せるというのは、実に変わったアイデアだと感心してしまう。著者は、伊中明さんという3D天体写真のパイオニアなのだそうだ。

下の写真は、息子がその3D写真を見ているところ。表紙に付いているメガネとページに印刷されている写真を、こうして垂直に立てて使うように出来ている。こうしたブックデザインも気が利いているなあ、と思う。

実際に専用メガネを覗いてみると、それほど大きくない写真ながらも、没入感が十分にあることに驚く。例えば、おおいぬ座のシリウスが眼前まで飛び出して来る。距離がたったの8光年しかないからだ。その分、他の星たちは其々の距離に応じて引っ込んで見えるのだ。
また、星雲の写真では、周囲の無数の星くずたちが、その大いなる銀河の渦を覆い隠すようにして手前に散らばっていることに気づかされる。

これ程までに宇宙の奥行きを感じる、言い換えると文字通り「奥の深い」天体写真集を僕は知らない。
こういった写真が50種以上も載せられているのだけれども、作るのは大変だっただろうなあと想像する。ひとつひとつの恒星の距離(光年)を調べ、3D写真データーに反映させていくことが必要なのだから。

これは、そういった意味においても、もっと評価されても良い一冊だろうと感じる。下のリンク先にオリオン座などのサンプル写真がありますので、是非ともご体験あれ。専用メガネがなくても、裸眼立体視平行法でも一応見ることが出来ますよ。

(左は、同じ書籍の新装版です)


そして後日、『星がとびだす星座写真』の続編である『ハッブル宇宙望遠鏡で見る 驚異の宇宙』(新装改訂版)を購入した。本の基本的な作りは前作と同じ。例えば、表紙に専用のメガネが取り付けられているという点も一緒である。

但し、ブックデザインが全体的に色鮮やかな色彩で、実に手に取ってみたくなるような装丁に仕上がっている。このシリーズは改訂版になると皆、このようなやや派手な見た目になっているのだ。きっと、出版社の気合が入っているのだろう。良いことだなあw

さて、メガネの付いた厚い表紙を開くや、扉に3D写真が早速一枚用意されている。真ん中に赤い星が十字の光芒を眩く放っているのだ。何か、めくるめく異世界へと誘われているかのようである…。

覗いてみると、この星が背後の小さき星々やガス状星雲から浮かび上がるようにして見えてくる。もう、これ一発でヤラれてしまうのだw 大変に素晴らしい掴みの一枚というわけである。
この本には、他にもハッブル宇宙望遠鏡が撮影した美麗な星雲や星団などの写真が続々。嗚呼、宇宙とは何と素晴らしいのだろうw 今回も多大なる労を執って3D写真を制作された、著者の伊中明さんには脱帽なのであった…。

では、立体視を是非ともお試しになってみて下され。上にも書いた通り、裸眼でも見ることが出来ると思います。コツは、写真の下に印刷されている丸十字のマークが重なるように見つめることですよ…。

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下のリンク先にも、3D写真のサンプルが載っています。こちらも是非お試しあれ…。
いま気づいたけれども、ブライアン・メイの3D月面写真集の投稿回(後編)で、最後に僕は「太陽系の別の星や、色々な星雲星団など、宇宙の他の写真を3D化した写真集を待っています」と書いていたのでした。何と、日本のかたがその要望に沿った写真集をお作りになっていたんですね。返す返すも、実に素晴らしいことです。有難や、有難や…。

伊中明 著『立体写真館2 新装改訂版 ハッブル宇宙望遠鏡で見る驚異の宇宙』
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