僕が最近、よく読んでいるブログ…

読書・図書館

僕は、本を読むことはこの上なく好きなのだけれども、何故か小説は、余り読まない。

大学は文学部の出身なのに(…英文科だけれども)、そんなことで良いのだろうか?と、ずっと自問していたこともある。でも、どういう訳か、フィクションには手が伸びないのである。でも、全く読まない、という訳でもない。(だから、拘っているわけでもない) まあ、色々なジャンルの本を、仮に年間計100冊読むとして、小説はその内せいぜい1~2冊の割合だろうか…。

ここ数年、僕は森博嗣氏の本を読む機会が多い。言わずと知れた、ミステリィ作家で、工学博士だ。かつては、某国立N大学の助教授でもあった。
僕が森博嗣氏を読み始めたきっかけは何だったのか。それは殆ど忘れてしまったけれども、ふと手にとってみて、理路整然とした怜悧な文体にまず惹かれたのはよく覚えている。森博嗣氏の本の場合でも、僕は小説よりも、フィクションの方を読むことが多い。

さて、僕はもし気になった本があれば、直ぐに奥付を見る癖がある。つまり、その本の最後の方を開くのだ。そこには、本の様々なデータが載っている。

例えば、発行年月日。どのくらいの時代に出された本なのか。これは案外重要だ。特に、サイエンス系の書籍の場合には、情報の鮮度がそれでわかる。奥付を見る前に、ああこの本はきっと1995年くらいだな…とか見当をつけておくと、もし当たったときには嬉しいw

あとは勿論、出版社。版元によっては、ある方向性に傾斜しているところもあるので(…どことは言いませんがw)、そういったところが出している本だとすると、内容に関してある程度割引しながら読み進めなければならない場合も、あるにはある。

それと、僕が必ずチェックするのが、著者の略歴である。何年くらいの生まれなのか、どのようなアカデミック・バックグラウンドをお持ちなのか、他の著書は?などなどである。ここで、森博嗣氏の場合、「工学博士」と書いてあるのを見て、僕は成る程やはりと膝を打ったのだった。

そんな森博嗣氏は、お金を稼ぐため(だけ?)に本をものしておられる。これは、ご本人が普段からよく書かれていることだ。そもそも、庭にレールを敷設してミニチュア鉄道を走らせる等の、趣味の資金を捻出するために、作家になったという経緯があるのだそうだ。

だから、基本的には、お金にならない文章は書かない、というスタンスのようである。ブログも、20年以上前から毎日書き続けておられる。1日につき、1000字以上は必ず書いているのではないだろうか。(…あ、僕もそうだw まだ3ヶ月だけれども)
そして、それらの多くは(…ファンクラブのサイト用に書いたものなどは別にして)、あとで書籍化されるのである。つまり、ブログの投稿も、ちゃんと印税として返って来るようになっているのだ。(…ここは、素直に、羨ましいなあと思ってしまう、僕w)

例えば、上の写真の中の、『MORI LOG ACADEMY』という文庫などは、ブログを書籍化したものである。(他にもあるけれども、写真には写っていない。分厚いのでw)

そして、森博嗣氏は、7月からまた新たなブログを始めた。「森博嗣堂浮遊書店 店主の雑駁」である。(下の写真は、そのブログのスクリーンショット)
これは、講談社が開設した「じぶん書店」というサイトと連携したブログである。

出版社の企画に乗ったブログなので、例に漏れず、これもあとで書籍化されるんだろうな、と僕なんかは踏んでいた。そう思って、7月7日の開設以来、毎朝更新される1200字余りの投稿を読んできた。しかし、である。今日付の投稿に、このような記述が…。

今回のこのブログだって、完全なボランティア(講談社から料金をもらっているわけではありません)。

おお、凄い。森博嗣センセイが、ファンクラブ(つまり内輪)用でもないのに、無償のご奉仕でブログを毎日更新しておられたとは。お見逸れいたしました…。

だからと言って、このブログの内容のクオリティが低いとか、手を抜いておられる、というわけでは全くない。いつも通りの森博嗣節の文章である。
ちなみに、森博嗣センセイは、ブログによっては、である調のときと、ですます調のときがある。今回は後者だ。その基準は、何だろうか? そのことを質問しても、きっと、「ですます調に拘って書いているのではないのです」とか言いそうですがw

森博嗣氏のブログを読む楽しみは、内容が身辺雑記のようでいて、普段考えておられることを、ごく自然にさり気なく文章の間に挿れているということである。余程、普段色々なことを考えたり感じたりしておられるのだろう、と思う。ちなみに、TVは殆ど観ず、新聞も読まず、小説も滅多に読まないそうなのである。(…あ、僕も全く同じだw)

…というわけで、「森博嗣堂浮遊書店 店主の雑駁」、面白いですよ…。是非、読んでみて下さい。

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森博嗣氏の近刊は、これ。森博嗣編集長の雑誌です。これまた、ちょっと珍しい試み。

森博嗣著『MORI Magazine』
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