1日だけの休みに、またビデオテープを見つけ出した。これ、観たかったんだ。うちにあったのか…

電気・電子

お腹の調子は、だいぶ良くなった。もう、大丈夫だろう。でも、1ヶ月くらい経ったら、また突然に痛くなるのだろうか。以前、そんなことがあったのである。歴史は繰り返すかも知れない。

さて、世間では3連休のようである。記憶が定かならば、先月にもそんなモノがあったような気がする…。またか、という感じだなw 何れにせよ、僕には余り関係がない。日曜日も月曜日も、仕事があるからだ。よって、今日だけが休み。
息子も、日曜日に模試がある。先月は数学で少々しくじったそうなので、今回は捲土重来を期すつもりのようだ。英語は、臥薪嘗胆かな?とにかく、苦労はしているみたいだ。

そんなわけで、本日午前中、僕はまた天井裏でビデオテープの掘り出しに当たった。小室哲哉氏とYOSHIKIの、あのビデオを何とか探しだしたいのである。どうしても、あの曲をサラウンドで観たい聴きたい…。
でも、何故か、どうしても見当たらないのである。あのような貴重なビデオを、気軽に人に貸し出す筈もないし、一体この家の中の何処にあるというのだろう…?

他の懐かしいビデオは、次々に掘り出されて来るのだ。下の写真は、20数年前、当時住んでいたアパートの近所にあったレンタルビデオ屋で、僕がアルバイトをしていた当時に貰ったもの。
小さな店だったけれども、店長兼社長が(機嫌の良いときには)気前の良い人で、メーカーから次々に送られて来るサンプル版をよく譲ってくれたものだった。

大好きなチャップリンの伝記映画やら、ジョディ・フォスター主演の映画やら、ジョン・スタインベック原作の映画やら…等等である。勿論、全編が収録されているので、普通に鑑賞することが出来る。
ついでに、以前探していた、スーパーファミコンのソフト『イーハトーヴォ物語』も見つかった。宮沢賢治の物語世界に材をとったゲームだ。探し物は、こうして暫く経ってから、ふと出て来ることが多い…。

さて、今日は、そうこうする内に、以前何処かで噂だけを聞いたことのあるコンサートのビデオを見つけてしまったのだ。CDのみがリリースされていて、未だDVD化はされていない、幻の映像作品である。
僕は、これを、いつか機会があれば観てみたいと考えていた。ひょっとすると、NHKのアーカイブスに行けば視聴できるだろうか、とか考えたものである。何とそのビデオが、うちの天井裏に人知れず眠っていたとは…w

小澤征爾指揮、サイトウ・キネン・オーケストラ演奏の、バッハ『マタイ受難曲』である。1997年9月7日、僕の地元の松本市でのコンサートの模様を収録している。
これは、日本におけるマタイ受難曲の演奏では、史上1、2を争うと言われている名演。小澤征爾氏は、この前年に亡くなった武満徹氏に捧げるつもりで、これを演奏したのだそうだ。

武満徹氏とマタイ受難曲は、色々と縁がある。僕も、武満ファンのひとり(…のつもり)で、マタイ受難曲も好きな音楽なので、松本で演奏されたということもあり、是非とも観ておきたかったのである。
1997年といえば、僕はもう、松本にはいなかった。だから、このコンサートを生では観ていない。…というか、サイトウ・キネンのコンサートには、ひとつも行ったことがない。

トップの写真は、そのビデオテープである。僕の持っている、マタイ受難曲関係の書籍と共に。礒山雅先生と、その師匠である杉山好先生の本である。ちなみに、僕は、この杉山先生の教え子だった方からドイツ語を教わったことがある。
そのときに、今は亡き杉山先生が日本語版の監修を務めた、カール・リヒター指揮の『マタイ受難曲』や『ヨハネ受難曲』についての裏話を少し聞かせて貰った。DVD等の編集時に、色々ご苦労されたようである。

さて、僕が今日発掘した『マタイ受難曲』のビデオテープは、S-VHSだ。しかも、NHK-BSの放送を録画したものである。さて、誰が録ったのだろう?僕は、当然ながら記憶がない。ラベル代わりに、ワープロで印字した紙片が入っている。
思うに、きっと僕の弟が、僕の代わりに録画しておいてくれたのだろう。設備面で該当するのは、弟しかいない。その後、うちに来たときに、このテープを置いていったのだ。それを未見のまま忘れて、今日まで仕舞い込んでいたのだろう、きっと。

僕がいま使っているビデオデッキは、S-VHSではない。普通のVHSだ。さあ、このテープが再生できるだろうか?簡易再生機能が内蔵されていれば良いのだけれども、よく分からない。(少なくとも、デッキにそのような表記は見当たらない)
ええい、ままよ、とばかりに意を決して、テープを入れてみた…。画像と音が出れば良いのである。すると、数秒後に…。

この迫力あるタイトル画面が現れたのだ。何とまあ、1秒の狂いもなくジャストのタイミングで録画を開始したようだ。几帳面だなあ…w とりあえず、再生は成功しているらしい。僕は、思わずガッツポーズを取っていた。

映像は、会場内の模様に移り、次々とテロップが表示される。正真正銘の、小澤征爾指揮、サイトウ・キネン・オーケストラの演奏である。文字通りの、灯台下暗し。いつか観たいと思っていた幻のビデオが、この家の中にずっとあったなんて…。

下は、指揮の前に黙祷をする小澤征爾氏。きっと、武満徹氏に捧げる祈りなのだろう。僕は今日この場面を見て、クラウディオ・アバドが確か生前最後に指揮をした、モーツァルトの『レクイエム』を思い出した。
それは、ルツェルン音楽祭での演奏だったのだけれども、最後の曲を振り終えたあと、アバドは、そのままジッと目を閉じて祈り始めたのである。きっと、何か深く思うところがあったのだろう、と感じる名場面だった。

この小澤征爾氏の『マタイ受難曲』の演奏は、礒山雅先生が上の本で、「集中力と劇的迫力も豊かで、よく研究された、本格的なバッハとなっている」と解説されている。
そう、劇的。実に、劇的。僕は主に、カール・リヒター指揮のCDやDVDをずっと愛聴してきたものだから、尚更にそう感じられるのだと思う。リヒターは、クールな演奏だからである。

20年以上も前の、まだまだ若い小澤征爾氏。よく動いて指揮をする。情熱的なタクトだ。殆ど手だけで振るのだけれども、テンポの速い曲では、やはり指揮棒を持つ。緩急自在である。
実のところ、僕は、どちらかといえば、小澤征爾氏を敬遠していた方なのである。ちょっと苦手だったと言うか。でも、このマタイの演奏は大好きだ。

あと、この『マタイ受難曲』で、もうひとつ良かったと思うところ。上のように、ボーイソプラノを使っているのだ。リヒターのDVDでは、少年たちが全く登場しなかった。この曲はやっぱり、ボーイソプラノがあった方が効果的だろう。

そんなわけで、思ってもみなかった幻のビデオを見つけて、大儲けしたような気分の1日だった。(この大儲けとは、金銭的な、という意味よりは、むしろ時間的なそれ)
これだけでも、十分に得したようなものなのに、何ともう1本、大きな掘り出し物があったのだ。それは、もうここのところ探し続けていた、あのビデオに関するものだったのである。(次回に、つづく)

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この『マタイ受難曲』は、CDが既にリリースされていますが、映像作品はついぞ発売されたことがないようです。何故なのでしょう?何か、深い大人の事情が絡んでいるのでしょうかね。さっぱり分かりませんが、勿体無いことです…。

『バッハ:マタイ受難曲 BWV244』
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